MOTHER'S ROCK

Rock
Illustration by Baobab

関東の一つ残し

ゴーゴーという音を立てながら、 ゆっくりと戦車は動き出した。

意気揚々と砂漠を練り歩く。 徒歩で歩いた時は、通り抜けることの出来なかった、 草の生えた場所も、この戦車ならゴウゴウと突き抜ける。 このまま他の場所までいけないかしら? 実家までこのまま帰って、母親や妹に、やぁと言って びっくりさせてみてはどうか? などと、だいぶ趣味の悪い事を思いつく。 まぁ、案の定砂漠からは出られなかったんですが

そこである戦闘をこなして、遺跡に行く事ができた。 まぁ、それがなんであるかはわかると思いますが、 僕は、なんと無謀な行動をしていたんだろうなぁと 若い頃の自分を思い出すような、 そんな黄昏を持って、 以前砂漠にきたときのことを思い出していた。

さて、先に進むか そう思ったのだが、僕の心の中に何かがひっかかった。 えーっと、そういえば、 親しげなガイコツがなんか言ってたなぁ そうそう、地雷が一個あるはずだと。

そこで僕は踵を返し、 地雷をさがしに砂漠を再度練り歩く事にした。 最後の一個というのが気にかかる。 最後の一個と言う響きはなんてずるいんだろう。 一個しかなくても、 最後の一個と言われたら別物のような気がする。

よく居酒屋で、つまみを食べる時、 どうしても最後の一個が残ってしまう。 僕はその状態が気になってしまう。 関東の一つ残しとか、遠慮のかたまりとか 言われるその状態を僕は気になってしまう。 なのでいつも気にしていないフリをして それをパクっと食べる僕がいる。

そんな感覚と同じように、僕は地雷を探し始める。

ところが、それが見つからない。 全く目印も何にもない。 上から下にテニスコートにローラーを書けるように 丁寧に砂漠を練り歩く。

そして延々と歩き、駅に着く頃に ついに地雷を見つける事ができた。 そして、思いがけない出来事が起きた。

それは書く事が出来ないけれど、 まだ見つけてない人がいたら、 ぜひとも探してみてください。

最後の一個はいつもと違う味がするはずです。