MOTHER'S ROCK

Rock
Illustration by Baobab

悪魔と天使とへっぽこエスパー

悪「電源切っちゃえって」 天「ダメダメ!あきらめないで!」 悪「おいおい、もうやばいぞ、お前のためだっての」 天「ここまで頑張ってきたんじゃない!だいじょぶよ!」 悪「またこいよ。な!平気平気」

僕の頭の中で囁きかける天使と悪魔。 もちろんそんなものはいないんですが、 暖かい光を放ちながら翼を広げ囁きかける天使、 冷たいオーラを放ちながら3つ又の槍を振りかざす悪魔が 今、僕の上空をさまよっています。

ことの成り行きはこうです。

電車の中でフラフラと新しい街イースターに ついた僕は、セーブをする場所を探していました。 しかし、見当たらないうちに例のあの超能力をゲットしました。

それは、MOTHERをやっていた人なら みんなが覚えているという 曰くつきの超能力。

それはとても取扱いが難しいのです。

悪「ホラホラ、また失敗した。時間ないって」 天「だいじょぶよ!落ち着いて深呼吸して!」 悪「バーカ、お前また真っ黒じゃねーか」 天「みんな最初はそうなんだから!」 悪「おいおい、後ろの人もきっと経験者で笑ってるぞ」 天「そんなことないわ!ほらちょっと上手くなってきた」 悪「あー、もうすぐ駅デース。着いちゃいマース」 天「平気、まだ間に合うよ。さっ!再度チャレンジ!」

僕は、何度も実行します。 後ろの気配を気にしながら、 ひんやりと冷たい汗を手に感じはじめました。

悪「おいおい、上手くいったとしてもまにあわねーって」 天「ダイジョブよ!実家ならすぐセーブできるわ!」

もう、駅に着きそうです。 僕はこれが最後のチャレンジと心に決め、 深呼吸をし、超能力を選択します。

僕は暖かいコーンスープを飲んでいます。 マイホームのママが作ってくれた暖かいスープを。