女の子を仲間にして、 やっとレベル上げ以外の冒険にでた。
MOTHERは最初から冒険をする仲間がいるわけではなく、 後から仲間が加わっていくので、 主人公のレベル差がとても気になった。
僕は、なんだか、戦いの先輩になった気分で、 よし、僕が守ってあげるぞと意気込み、 戦いに身を投じていった。
それまでは、先手必勝とばかり、 攻撃ばかりの男子チームだったが、 女の子はとても打たれ弱いので、 僕はまず、防御力を上げる超能力で仲間を守り、 その間に、他のみんなが攻撃するように指示を出した。
周りの敵はとても強く、経験値もいっぱいもらえるので レベルの低い女の子は、どんどんレベルが上がる。 そしてどんどん超能力を覚えていくのである。
女の子は頭がいいからなぁ。などと思いながら、 おい、君、うかうかしてると、立場を奪われるぞと、 男の子の友だちにカツを入れる。 男の子は男の子で余計なお世話だと言いながら、 マイペースでレベルをあげていく。
そんなこんなで早熟な女の子もある程度、 一人歩きできるようになってきたころ、 次なる試練として、冒険にでることにしたのだ。
というわけで、僕らは、ある幽霊屋敷に向かう。 最近、怪談に凝っていたのでとてもタイムリーな話だ。
幽霊屋敷は、真っ暗な部屋とうろつくネズミ、 どこまで続くか分からない長い階段を行ったり来たり しなければならなかった。
ここでも僕は、きっと怖がっているであろう女の子を守り 自分の怖がりである部分を隠しながら、探検していた。
幽霊があらわれる。 キャー。と僕の後ろに隠れる女の子を想像しつつ、 怖がらなくて平気だと、立ちふさがる。
あ、石になった。
その瞬間立場が変わったような気がした。 女の子が、「あんた、なにやってんのよ。仕方ないわね」 とばかりに超能力で石の僕を癒してくれ、 男の子が、「おいおい、しっかりしてくれよ」 とばかりにSMAAAASH!!と敵に止めを刺す。
今回何も出来なかった僕は、ヘラヘラ笑いながら、 いやーごめんなさい。油断しました。 と丁寧語でみんなに謝る。
勝手に先輩気取りで居た僕は、 みんなは先輩後輩じゃなく、お互い 助け合ってる立場の同じ仲間だということに、 気付かされた。
僕はまいったな、と思いつつも、 居心地のいい雰囲気を感じてながら、 その幽霊屋敷の奥へ奥へと歩みを進めた。