MOTHER'S ROCK

Rock
Illustration by Baobab

ライヤーライヤー

僕は順調にレベルを上げていった。

いまだ何をしたらいいのかはっきり分からないので、 レベルだけが上がっていくのだ。

ここの住人は、僕に違和感を 覚えてはいるもののとても暖かい。 禅問答のようにわけのわからないことを言う人もいれば、 とても考えさせられるような事を言う人もいる。 マジカントを一通り歩き、次に僕は穴に落ちた。

そこで、ある男に会った。

彼はとても、悲しいことを言う。 僕のとても苦手なタイプだ。 彼は自分を卑下する。謙遜してるわけではないようだ。

僕は彼との会話の中でウソをついた。 それはとても自然に出たものだったけど、 その選択肢を選んだあとに 思いもよらない答えが返ってきた。 その時僕は、自分が選んだ選択肢に、 いつもの自分を見たような気がした。 そのウソは彼をとても傷つけてしまったような気がする。

僕はウソをつく。それは否定しない。 思ったことと違うことを言う事はままあるだろう。 その時思っていることは、 たいてい考えが固まっているわけではなく、 相手に対して、そして相手が 欲しい答えを選んでいるような気がする。

僕は、人が傷つくのが苦手だ。 それは、人が傷ついている姿を見ると 自分が傷つくからという、 単なる自己防衛でしかないのだけれども。

しかし、彼の反応は、 いつもの僕が知っているものとは違った。 だからこそ、とても考えさせられた。

やさしいウソは時として人をさらに 傷つけてしまうのではないだろうか。

僕はまたつぶやく

まいったな。

とても、参ってしまうゲームだ。 このMOTHERというゲームは。